後藤俊彦さん

写真1:後藤俊彦さん

おおらかで自然を大切にする人々の精神こそが宮崎の素晴らしいところです

写真2:後藤俊彦さん
日向神話は天孫降臨をはじめ海幸彦・山幸彦の伝説など多くの神々が登場します。そこで伝えられているのは、人間的でおおらかな神々の姿。それを表現したのが神楽です。宮崎では日本三大神話の一つを担う土地として、秋から春にかけて各地で多くの神楽が奉納されています。その精神は五穀豊穣を祈り、秋には実りに感謝して、そして天下が泰平でありますようにと願うものです。
天照大神についての記述は「あまねく国内を照らし、み光美しき神」とあります。これは万物を平等に照らして、その光は美しいという意味です。この内容からも日本人はいにしえより太陽の光を特別なものとして敬っていたということが分かります。
現在、宮崎では約200ヶ所で受け継がれている神楽があり、その中で全国に36しかない国指定重要無形民俗文化財が宮崎には4つもあります。高千穂、米良、高原、椎葉ですね。そういう意味でも宮崎は文化財の宝庫だと言えます。
神楽が伝承されているということは、神楽を継承する共同体が今なお残っているからで、さらに人々の心に自然への畏敬の念が人々の心に生き続けているということです。伝統のあるものをきちんと守っていくというのはとても大切な事。宮崎はその文化が色濃く残っています。人々の心にも根付いています。そのおおらかで自然を大切にする人々の精神こそが宮崎の素晴らしいところです。海の恵み、山の恵み、さらに河川の輝く美しさ。そういった自然にも生かされていることが天孫降臨の地である宮崎の哲学だと思います。都会にはない宮崎の豊かな個性を大切に思う。そんな心を次の世代に残していきたいですね。
プロフィール
宮司。高千穂町出身。高千穂18郷にわたる88社の総社である高千穂神社に仕える。これまでに高千穂神楽のヨーロッパ公演を行う。2014年に神職最高位である“特級”となった。
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